2005年12月27日
自治体が介護付き有料老人ホームの抑制へ [ news ]
介護付き老人ホームが増えていることは以前にもお伝えしましたが、その流れに歯止めをかける動きが見え始めました。
近畿の自治体が都市部で急増する介護付き有料老人ホームの抑制に動き始めた。施設の立地する自治体の介護保険給付が膨らむ懸念があるためだ。大阪市は新規開設を絞り込む方針を事業者に伝え、神戸市でも建設の事前協議の受け付けを一時停止している。事業者からは自治体が参入規制すれば介護サービスの選択の幅が狭まるという反発も強まっている。 (NIKKEI NET:地域経済ニュースの記事より引用)
自治体の負担を抑制するためだそうです。
12月1日現在、近畿にある有料老人ホームは231ヶ所で、介護保険が導入された2004年4月時点とくらべてほぼ4倍にのぼる。この新規開設ホームの約8割が介護付きホームとのことです。
そのため大阪市では、新規参入を打診された事業者に対して市として同意できない可能性があることを伝えているそうです。
こうした新規参入規制に対しては、入居者のサービスの幅を狭める行為だとして懸念の声も上がっています。
2005年12月23日
新潟の大停電、老人ホームにも影響 [ news ]
このところの大雪の影響で発生した新潟地方での停電が、老人ホームの設備にも影響を与えています。
先日の米国でのハリケーン被害のときも、高齢者の方々が入居する施設が停電に見舞われ深刻な影響がありました。たとえばエレベーターなどの移動施設や流動食を作るミキサーなどの解除器具が止まってしまうケースが発生したのです。
今回の新潟の停電でも、同様の被害が発生しています。
以下のアサヒコムの記事に、詳しいレポートが掲載されていますが、影響を受けたと考えられる高齢者3万人の安否確認が行われました、
新潟市内は、約3万人の独り暮らしの高齢者がいる。安否確認は、午後になって始まった。同市高齢者福祉課は停電発生から約6時間後の午後2時半から、各支所や地区事務所を通じて約1600人の民生委員に、全員の安否確認を通達した。「停電が予想外に長引いた上、午前中は福祉施設などの状況把握に追われた」という。(アサヒコムの記事より引用)
今後は、停電時に備えた設備の充実が急務になりそうです。
2005年12月19日
2006年4月の介護保険制度改正に向け [ column ]
2006年の4月に、介護保険制度が大幅に改正されます。今回の改正の大きなポイントは、介護の必要性が低い、あるいは介護の程度が軽い人への保険金給付を抑えることにあります。制度の具体的内容は2006年1月に決まります。
車いすや介護ベッドなどの福祉用具のレンタル産業が盛り上がっていますが、今後は利用者負担が増えることになるため利用者の減少が懸念されているようです。
高齢化社会の進展に伴って拡大を続けてきた介護ビジネス。その市場は、公的負担分を含めて六兆八千億円(二〇〇五年度当初予算)と、住宅リフォーム市場に匹敵する規模に達する。だが、その根幹を支える介護保険制度が来年四月、二〇〇〇年のスタート以来初めて大幅改正されるのを機に、成長産業も一気に“大競争時代”に突入する可能性が出てきた。(フジサンケイ ビジネスアイの記事より引用)
上記の記事には、実際に介護ビジネスの現場でどのような影響があるのかレポートが掲載されています。リアリティがあって興味深く読めました。
2005年12月14日
有料老人ホームが急増 [ news ]
有料老人ホームの数が急増しています。先日のエントリーで「老人ホームが増えている」ことに触れましたが、有料老人ホームはそれ以上のペースで増えていることがわかります。
主に民間が運営する有料老人ホームが2004年、前年の694から351増え1045施設となったことが13日、厚生労働省の社会福祉施設等調査結果概況で分かった。前年比51%の急増ぶりで、厚労省は高齢者の1人暮らしや高齢夫婦世帯の増加が、民間による供給を増やしたとみている。(岩手日報の記事より引用)
民間の参入がものすごいペースで進んでいることがわかります。
2005年12月11日
リバースモーゲージに注目が集まる [ column ]
老人ホームの高級化が進むなかで、入居費用の確保が困難な高齢者が増えています。特別養護老人ホーム(特養)などの比較的費用が安価な施設は多くの人が入居待ちをしている状況です。
それを受けて低価格な有料老人ホームも増えてきましたが(関連エントリーはこちら)、それでもやはり(安価とはいえ)入居時にはある程度のまとまったお金が必要です。
そんな中で注目を集めているのが、以前のエントリーでも紹介した「リバースモーゲージ」という仕組みです。不動産などの資産を担保に資金を借りて、自らの死後に資産を処分して返済を行うもので、自宅を担保に老後の資金を借りるニーズが増えてきています。
リバースモーゲージを使えば、老後にまとまったお金が必要になったときでも、自宅などを売却しないでお金が借りられるメリットがあります。
自宅を生前に売却する必要がないことから、
自宅を担保に老後の資金を借り、死後に自宅を処分して返済する「リバースモーゲージ」。
そのため、老人ホームや住宅販売会社、銀行などがリバースモーゲージを組み込んだ商品を続々と開発しています。
中央三井信託銀行は今年三月、リバースモーゲージの取り扱いを始めた。
東京、大阪、名古屋の三大都市圏に住み、六十歳以上七十九歳以下で、土地付き一戸建てを所有している人が対象だ。土地評価額の50%分を最長十五年間借り入れができる。例えば、評価額五千万円の土地の場合、六十五歳から年約百三十万円を七十九歳まで受け取れる。亡くなった時に物件を売却して借入金を返済する。(東京新聞の記事より引用)
また記事によれば、旭化成ホームズでは2003年10月から「へーベルハウス」所有者を対象にしたリバースモーゲージを取り扱っています。自宅を貸し出すと同時に融資を受け、「家賃」と「融資による資金(3000万円が上限)」を受け取れるようになります。このお金を住み替えや老人ホームへの入居費用にあてられます。
ただ、日本では「自宅を子孫に残す」という考えも根強く、リバースモーゲージを使うことに反対する家族もいるのだそうです。難しいですね……。
2005年12月 9日
老人ホームの施設数は前年比314施設 [ news ]
2004年度末の老人ホームの施設数は、前年比で314施設増で8305施設にのぼりました。これは厚生労働省が発表した「2004年度社会福祉行政業務報告結果の概要」の中で述べられていた数字です。
昨日のエントリーで「個室化が進む」と紹介しましたが、数そのものも増加傾向にあります。もっとも老人ホームの施設数が増えていくことは自然な流れなので驚きはありませんね。
2004年度末現在の老人ホーム(有料老人ホームは除く。)の施設数は8,305施設で、前年度に比べ314施設(前年度比3.9%)増加した。定員は 520,056人で前年度に比べ22,840人(同4.6%)増加しており、「特別養護老人ホーム」が19,570人(同5.6%)、「軽費老人ホーム(ケアハウス)」が3,414人(同5.4%)増加した。(ふくしチャンネルの記事より引用)
上記記事には、ほかにも生活保護を受ける被保護世帯数なども公表されており、日本の社会福祉制度の実態を知るうえでたいへんに興味深い発表内容となっています。
2005年12月 8日
個室化が進む特別養護老人ホーム [ news ]
老人ホームの「個室化」が進んでいます。厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」によると、特別養護老人ホーム(特養)で個室がしめる割合が4割を超えたことが明らかになりました。。
特養ホームの居室数は昨年10月現在、全国で計14万9910室。定員別に見ると、個室が6万1133室(40・8%)、4人部屋が5万9733室(39・8%)、2人部屋が2万4989室(16・7%)の順だった。個室は前年に比べ1万3988室、29・7%の大幅増加で、4人部屋を抜いて最多となった。(YOMIURI ONINEの記事より引用)
老人ホームではありませんが、入院経験のある身としては、2~3日ならまだしも、それ以上の長期にわたって相部屋というのは決して落ち着ける環境ではありません。私の場合は、1週間で無理を言って個室に移してもらいました。そのときの開放感ったらありませんでした(とは言え病院の中なんですけどね……)。
これまで相部屋中心だったのは、どちらかといえば「施設側の都合」であったと思われます。老人ホームも増えてきて、とりわけ民間のホームでは競争が激化しており、「入居者の都合」に合わせて入居環境を整備する方向に向かうのは当然の成り行きだと思われます。
2005年12月 7日
福祉法人の口座から2000万円着服で男が逮捕 [ news ]
滋賀県警守山署は12月6日、社会福祉法人「明富の郷」(滋賀県守山市)の預金口座から2000万円を着服した疑いで、63歳の会社役員を逮捕しました。
逮捕されたのは、京都市中央区の会社役員、都木章治容疑者。
調べでは、都木容疑者は2001年12月下旬ごろ、同法人名義の普通預金口座から2000万円を、自身が経営する京都市北区の不動産会社の当座預金口座に振替入金し、着服した疑い。(京都新聞 電子版の記事より引用)
警察の調べに対して都木容疑者は、経営する会社の運転資金に使ったと供述しているとのことです。同容疑者は、守山市内で特別養護老人ホーム(特養)などを経営する同法人の理事でもあり、この法人の預金通帳の保管管理を任されていました。
警察では、このほかにも数千万円の着服があるのではと見て、余罪を追及しています。
2005年12月 6日
意外と知られていない「療養型病床」とは? [ column ]
先日のエントリーで「廃止の方向にある」と紹介した療養型病床ですが、特養(特別養護老人ホーム)ほど知られていないのか、よくわからないという人が意外と多いみたいです。
YOMIURI ONLINEに掲載されているFPの山田静江さんのレポートでまとめられています。
●療養型病床(介護療養型医療施設)
長期の療養が必要な要介護者が利用できる病院(ベッド)。医学的な管理のもと、介護やその他医療を行う。入院時の保証金は15万円程度から。介護保険の自己負担と居住費、食費で8万9000円(相部屋の場合)だが、このほか管理費用、洗濯費用、差額ベッド代などが5万~25万円程度徴収されることもあり、合計で14万~34万円かかるケースが多い。自己負担と居住費、食費の部分は所得に応じて減額され、たとえば生活保護世帯なら2万5000円で済むが、その他費用は実費負担なので通常は減額の対象とならない。(YOMIURI ONLINEの記事より引用)
このレポートは11月17日に掲載されたものなので、先日のエントリーで紹介した「廃止の方向」がまだ明らかになっていない時点のものです。
インシュリン注射や痰の吸引など、一般の病院であれば入院の必要なしと判断される治療行為でも、高齢者にとっては入院が必要と判断しなければならない場面もあるでしょう。ヘルパーを呼ぶにしても、家族への負担は入院時とは比べものになりません。
家族の生活を守りながら、簡単な介護が必要な高齢者のケアをどうしていくのか、療養型病床の廃止と並行して考えていかなければいけません。
那珂川町の特養で新事業主体が決定 [ news ]
栃木県で、特別養護老人ホーム(特養)の開設をめぐってバタバタしていた件が、ようやく動き始められる目処がたちそうです。
旧小川町や県が整備を進めながら9月末にいったん白紙撤回された後、一転して年度内の着工を目指していた特別養護老人ホーム建設計画で、那珂川町は3日までに新たな事業主体を選定した。町健康福祉課は「年度内にきちんと着工できるよう、サポートしていきたい」としている。(下野新聞ニュースの記事より引用)
今回は、認可申請準備中の社会福祉法人が事業主体となって設立するとのことです。この社会福祉法人は「敬和会」といい、同町の小川にある医療法人「東寿会佐藤医院」が中心になります。
行政では、新たな事業主体を募集するときに、「もっとも多額の寄付をする予定の者が理事長になること」などを条件に加えたところ、今回は7件の応募がありました。審査の結果、敬和会が選定されたとのことです。
2005年12月 5日
厚生省、介護型療養病床を廃止へ [ news ]
12月2日に厚生労働省が、介護療養型医療施設(いわゆる「介護型療養病床」)を2012年度にも廃止する方針で検討に入ったことを明らかにしました。これにより介護保険3施設のうちの1つが廃止されれば、特別養護老人ホームと老人保健施設の2種類の施設になります。
現状では介護型療養病床と、医療保険が適用される医療型療養病床の双方に、必ずしも医療を必要としない人が入っているなど区分があいまいになっており、介護、医療の役割分担を明確にすることが必要と判断した。(神戸新聞の記事より引用)
こうした現状を踏まえての措置です。介護認定の制度もそうですが、たしかに線引きは難しいとことです。
今後、介護型療養病床については、医療型やそのほかの介護施設などに転換することを推し進めていき、並行して医療の必要性が低い医療型の施設は有料老人ホームなどにしてくように促していくそうです。
狙いとしては、不適格な介護を受けている人を減らすことで無駄な給付を削減したいのでしょうね。
民間介護サービス研究所が返還命令に反論 [ news ]
居宅介護サービス費や居宅介護サービス計画費を不正請求したとして、伊東市から2481万円あまりを変換するよう命じられていた横浜市の民間介護サービス研究所が12月3日に会見を行い、返還命令が不明確だとして市当局に回答を求めるとの声明を出しました。
同研究所代理人の大宮竹彦弁護士は「国の通達では、事後調査などにより不正請求が発覚した場合、まず行政指導を行い、その後、事業の届け出受理の取り消しを行うとあるが、県はこの手続きを踏んでいない。また、伊東市の返還命令は行政処分となっているが、よりどころにしている介護保険法第22条3項では民法上の不当利得の返還と定義され、行政処分にはあてはまらないはず」と指摘し、同市の法解釈について来週中にも質問状を送ることを明らかにした。(静岡新聞の記事より引用)
民間介護サービス研究所の梅畑雅信社長によれば実際に入居者に対して介護サービスが提供されており、どの件が不正請求に当たるのか説明を受けたいと述べ、納得できるものについては返還したいと話しています。
なお、現在の施設を今後は介護付き老人ホームなどの特定施設にするとの方針も発表しています。
2005年12月 2日
老人ホームの建設用地代金を騙し取った男が逮捕 [ news ]
特養の建設用地とし1億円以上の金を騙し取った男が逮捕されました。
特別養護老人ホームの建設用地売買をめぐり、土地所有者から代金の受け取りを委託されたように装い、一億円以上をだまし取ったとして、姫路署は一日、詐欺の疑いで明石市、保険外交員の容疑者(57)を逮捕した。(神戸新聞の記事より引用)
1996年の事件ですが、その後、理事長が土地所有者に同額を支払って2000年ホームが完成しているというのもすごいですね……。

